ロシア中央銀行、19日に基準金利を年14%へ引き下げる見込みが強まる
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ロシア中央銀行は19日の理事会で基準金利を年14%に引き下げる可能性が高いとの見方が、TASSの専門家調査で強く示されており、政策変更の示唆が市場に広がっています。
TASSが実施した23人の専門家調査では、21人が理事会が年率14%への引き下げを検討する公算があると指摘した一方で、同調査の別の集計では23人全員が6月19日に何らかの利下げが行われると予想しており、背景には5月の年率インフレが5.6%から5.3%へ低下した統計やルーブルの強含みといった事実があると分析されています。
中央銀行は4月会合で年初から3回連続の利下げを行い、基準金利を年14.5%に引き下げた経緯があり、規制当局自身は国内需要の伸びが供給余力に近づいている一方で基調的な物価上昇の指標はまだ低下を示していないとして慎重姿勢も示しています。
Freedom Globalのチーフアナリスト、ナタリア・ミルチャコワは、6月19日の会合で年率で0.5ポイントの利下げにより14%への引き下げが最も想定されるシナリオであり、その実現確率を約85%と見積もっていると述べるとともに、5月のインフレ鈍化が主に果物・野菜価格の季節的下落によるものである点やルーブル安定で輸入品価格が低下した点が追加利下げを後押ししていると指摘しました。
こうした楽観の一方で、ミルチャコワは警戒サインも無視できないと強調しており、月次インフレ率が5月に0.14%から0.17%へ加速したことやサービス価格の月次上昇が1.55%に達し4月の水準の3.3倍に相当すること、6月第1週のインフレが月間増を上回る0.2%の上昇を示した点、そして家計のインフレ期待が5月に12.9%から13%へ上昇し認識インフレが15.1%に達している点が、利下げ停止の議論を理事会に促す可能性があると述べていますが、総じて顕著なディスインフレ要因が続いているため完全な利下げ中止に至る公算は小さいとの見方も示しました。
ソブコムバンクのチーフアナリスト、ミハイル・ヴァシリエフは、全体的な経済指標は中央銀行の基礎予測と概ね一致しており、当局は標準的な50ベーシスポイント刻みでの利下げを継続する余地があると指摘したうえで、インフレや経済活動の一部指標が予測の下限に近い一方でマネーサプライの伸びが上限に近い点、加えて財政政策や中東での長期化する紛争由来のプロインフレリスクが依然存在する点を挙げ、ヴァシリエフはタカ派的論調を維持しつつハト派的なシグナルを残すとの見通しを示し、7月24日の次回会合でもさらに50ベーシスポイント引き下げて13.5%へと段階的に下げる公算があると述べました。
フィナムのマクロ責任者オルガ・ベレンカヤは、中期的にはプロインフレリスクと不確実性が依然として支配的だと指摘し、今年度および中期の財政政策パラメータ、加速するマネーサプライ、春の法人向け貸出と消費支出の動向、賃金の鈍化が見られない点、国内燃料市場の情勢や中東紛争の世界的なインフレ波及などがリスク要因だと述べつつ、アントン・シルアノフ財務相の言及した今年度の財政赤字が計画を上回る可能性や基礎的構造黒字が2029年まで復活しないとの見方を踏まえても、現時点の名目・実質の指標は利下げ継続を支持しているとの判断を示しました。
市場予想の動向としては、BCSやRenaissance、Sovcombank、Gazprombank、VTB、Freedom Globalなど主要アナリストや金融機関の多くが6月19日の引き下げを年率14%水準で見込んでおり、アルファ銀行や一部資産運用会社が若干高めの14.25%や14~14.25%という幅を示すなど意見の違いはあるものの、コンセンサスとしては14%前後に収れんしている状況です。
今後の行方は、果物・野菜など季節性の寄与が持続するか、輸入品価格やマネーサプライの動き、為替市場および貸出動向、さらに中東情勢に起因するプロインフレリスクの顕在化度合いに左右される見通しであり、当面は市場は利下げを織り込む一方で、リスクの高まり次第では金融当局のスタンスが速やかに修正され得るとの見方が優勢です。