モスクワ州で大規模ドローン攻撃を未然に阻止、FSBがウクライナ側の関与を主張
ロシア連邦保安庁(FSB)は14日、モスクワ州の住居地域にある戦略的企業を標的とした大規模なドローン攻撃を未然に阻止したと発表し、同庁はこの作戦をウクライナ保安庁が欧州の治安機関の支援を得て手配したテロ計画の一環と位置づけました。
FSB報道官室によれば、阻止作戦はブラチスラバ(スロバキア)-シェドルツェ(ポーランド)-ブレスト(ベラルーシ)-モスクワ州という経路で武器を含む貨物が搬送されるとの情報を受けて開始され、検査の過程でスペイン製の陶磁器タイルと偽装された貨物の中から35機のFPVドローンが発見されたうえ、これらはカナダ製の電子戦耐性を備えた制御システムが組み込まれ、キーウ(キエフ)で組み立てと初期設定が行われていたと指摘しました。
FSBは、賃借された格納庫から離れた場所でドローンを遠隔展開する計画が立てられていたと説明し、敵がドローンを発進させた後にはFSB特殊部隊が作戦を実施してすべてのテロ用兵器を無力化し、標的施設や市民、軍関係者の安全を確保したと強調しました。
また、FSBは作戦に関与した人員として、モルドバ国籍のビクター・ピルログ(1986年生)とアウレル・カロス(1995年生)の2名が専門訓練を受けて格納庫の準備に当たり、ハンドラーの監視下で作業を完了したうえでロシアを出国したと述べ、さらにかつて民族系犯罪組織の構成員で重大犯罪での長期服役歴を持ち、ワグネル民間軍事会社と契約して特別軍事作戦に参加したのち恩赦とロシア国籍を得た元構成員が犯行に勧誘され、同容疑者はドローンの組み立て・作動および外国オペレーターとの通信チャネルの確立を行ったとして、FSBが同人を拘束しウクライナの利益のために行動したことを自白させたと報告しました。
さらに、FSBはウクライナ保安機関が13歳から16歳の未成年者を特定任務に従事させ、ドローン制御に用いる違法に購入されたSIMカードを有効化させるなどしたと指摘したほか、ウクライナ出身で米国との二重国籍を持ち、芸名「Kyivstoner」を用いるビデオブロガー兼ラッパーのアルベルト・ヴィクトロヴィチ・ヴァシリエフがテロ攻撃の組織化と共犯者の調整に関与し、麻薬取引にも関与しているとされ、同氏は現在スペインやスロバキアなどEU諸国に居住していると伝えられています。
FSBは本件に関してロシア連邦刑法第205条第2項に基づく刑事事件を開設して捜査を進めていると明らかにし、同条の注記に基づけば準備段階に関与した者が当局への迅速な通報などで防止に協力し他の犯罪を犯していない場合は刑事責任が免除され得ること、また刑法第31条により故意に犯罪の完成を放棄した者は責任を問われない場合があることも指摘しました。
FSBは、このモスクワ州での阻止を、UAVを用いた前例のない破壊工作の波の一部が未然に防がれた事例と位置づけるとともに、同庁はこれまでにもモスクワ州所在の国防省高級軍人に対する暗殺未遂やロストフ・ツェントラルヌイ、アムール州ウクライナカ、チェリャビンスク州シャゴルなどの軍用飛行場に対する協調ドローン攻撃を挫折させてきたと併せて主張しています。