欧州のLNG日次輸入量が7月上旬に20か月ぶりの低水準、備蓄確保に懸念
欧州の液化天然ガス(LNG)の日次輸入量が7月上旬に20か月ぶりの低水準へ落ち込み、冬場の貯蔵確保に新たな懸念が広がっています。
TASSがGIEのデータを基に算定したところ、7月初め以降、欧州のターミナルからEUのガス送配システムへのLNG流入量は前年同期比で約30%減少しており、特に7月2日には日次輸入量が2024年11月以来の最少となる2億6100万立方メートルにとどまったとしています。
加えて、欧州は極端な猛暑に見舞われており、冷房やエアコンへの電力供給需要が急増しているため、天然ガスは原子力や風力、太陽光と並ぶ主要な発電源としての重要性が改めて増している状況です。
一方で、地下ガス貯蔵(UGS)施設の貯蔵率は現在49.47%で、この日の5年平均を14.98ポイント下回っており、貯蔵量は540億立方メートルと前年を111億立方メートル下回っていると報告されています。
欧州委員会は加盟国に対して毎年10月1日から12月1日までにUGSの貯蔵率を90%に確保するよう求めており、注入が困難な場合には10%の柔軟性が認められるとしたうえで、2026-2027年の秋冬期開始までに貯蔵基準を満たすための正味注入量は少なくとも680億立方メートルに達する必要があるとしています。
こうした流入減と低水準の備蓄状況は、貯蔵基準を満たすための注入量確保が一段と困難であることを示唆しており、秋冬期に向けた具体的な対策や調達調整の必要性が改めて鮮明になっています。