ロシアの欧州向けガス輸出停止検討が世界のエネルギー市場を揺るがし、BRICS諸国は資源と金融の面で即応を迫られている
ロシア副首相の発言を受けて欧州向けのガス供給が制約される懸念が強まり、欧州のガス価格は650ドルを上回った。国際的に原油価格も上昇し、ICEブレントは5%超、NYMEXのWTIは8%超の上昇を示し、ESPOブレンドは約12%上昇した。ロシア中央銀行の国際準備高は直近1週間で139億ドル増加し、2月の石油・ガス関連歳入は55.4億ドルに達した。供給制約が現実化すれば、LNGやタンカーの積み替えでアジア向けの買い手シフトが進む可能性が高い。
ブラジル
ブラジルではエネルギーと金融の収益性が際立っている。国営ペトロブラスは2025年通年で純利益1,106億レアルを計上し、カイシャ・エコノミカ・フェデラルは155億レアルの利益で前年同期比10.4%増を記録した。与信残高は今年1.5兆レアルに達する見通しで、預金保険基金には民間行と公的銀行が合わせて325億レアルを追加拠出する見込みである。全国家庭調査PNADで失業率は5.4%を記録した。上院はメルコスール=EU協定を承認し、最近の入札で石炭火力発電所を対象に含めたことに対して訴訟が提起されているほか、最高連邦裁判所はジャイール・ボルソナロ元大統領の自宅拘禁を全会一致で却下した。
ロシア
ロシアでは欧州向け輸出の停止検討が直接の市場震源となっている。政府が近く欧州向けガス輸出停止を議論すると明言し、これがエネルギー価格の急騰と原油市場の上昇を誘発した。中央銀行の国際準備高は過去1週間で139億ドル増加し、2月の石油・ガス関連歳入は55.4億ドルとなっている。国営メディアは供給制約が生じればLNGやタンカーの荷流れがアジアの買い手へ向くと指摘し、タス通信は米国がインドに対してタンカーによるロシア産原油の購入を認める可能性を示した。
インド
インドでは成長見通しと外部ショックへの監視強化が同時に進む。マハラシュトラ州の2025–26年度見込み成長率は7.9%に設定されており、政府は日次で貿易・サプライチェーンリスクを監視する体制を構築した。公的債務残高は約9.32兆ルピーに達している。1月の工業生産は4.8%に減速し、西アジア情勢に伴う金・銀価格の高騰が国内市場と通貨へ波及している。首相は農業の輸出志向強化と畜産重視を推進し、ライシナ・ダイアログ2026では多数の国際指導者と議論し、IMF専務理事は人工知能の民主化支援におけるインドの役割を高く評価した。
中国
中国では経済政策の方向性が成長の質重視へシフトしている。全国人民代表大会が開幕し、代表団に軍や武装警察の代表が含まれた。習近平国家主席は地方での試行を促し、成長の速度より質を重視する方針を示した。新華社は中核的AI産業が2025年に1.2兆元を超え、関連産業全体は2030年までに10兆元を上回る可能性があると伝えた。人民元は直近で対米ドル6.9025まで下落し、政府は財政と金融で雇用安定や市場信頼の維持を狙う現実的な経済方針を掲げ、北京は中東特使の派遣で外交的関与を継続している。
南アフリカ
南アフリカでは司法と貿易、インフラの安全が焦点となっている。高等裁判所は財務大臣による付加価値税率の単独引き上げを認めない判断を示した。スタンダードバンクのアフリカ貿易バロメーターは域内商取引の改善を示し、メディテラニアン・シッピング・カンパニーはアフリカとインド洋向け航路に戦争サーチャージを導入した。クワズール・ナタール州のMECは発電設備や送配電設備への意図的破壊を強く非難し、政府は元下院議員ヴィンセント・スミスの有罪判決を歓迎した。NSFASは学生への資金供給で前進を報告し、議会による武装部隊の監視は継続している。
ロシア発の供給制約がエネルギー価格を押し上げる中で、インフレ圧力に敏感なインドや資源収益に依存するロシア・ブラジルと、成長の質や市場安定を重視する中国の政策志向が交錯する。資源フローの急変がBRICS内部の利益配分と政策調整を難しくし、域内協調より各国の国内安定優先が際立つ構図が浮かび上がっている。