【見出し】
インド、10年で太陽光発電を3GWから162GWへ急拡大 浮体式+蓄電で次段階へ
【本文】
インドは過去10年で太陽光発電の導入容量を約3GW(2014年)から2026年6月30日時点で162.15GWへと急速に拡大させ、太陽光が国内の再生可能エネルギー容量を牽引する主力となっているとの現状が改めて鮮明になりました。
連邦閣僚会議が承認したプラダーン・マントリー・スーリヤ・サロヴァル・ヨジャナ(PM-SSY)は、共置されたエネルギー貯蔵システム(ESS)を備えた5,000MWの浮体式太陽光発電能力の開発を目指すものであり、事業費5,070億ルピーを投じて2026年度から2030–31年度にかけて実施する計画です。
この計画は最低10,000MWhの蓄電容量を提案しており、貯水池や工業用水域を活用して希少な土地資源への依存を軽減するとともに、州がピーク時の電力需要をより良く管理し系統の安定性を向上させることを目的としている点が特徴です。
国立太陽エネルギー研究所(NISE)が推定する貯水池や内陸水域の浮体式太陽光ポテンシャルは約102.18GWに上り、今回の取り組みは年間約1,000万トンの二酸化炭素排出削減、約16,000〜17,000人のフルタイム換算雇用創出、そして浮体式容量を現在のおよそ700MWから約5,700MWへと引き上げる効果を見込んでいます。
この10年の急拡大は、持続的な政策支援やインフラ整備、国内製造能力の増強、そして市民の導入参加の拡大が相互に作用した結果であり、例えば2025暦年には37GWを追加して世界で二番目の成長市場となり、2025–26会計年度には記録的な44.61GWの太陽光容量を追加するに至りました。
非化石燃料の総容量は283.46GWに達し、そのうち再生可能エネルギー由来が274.68GWとなっているほか、年間の非化石燃料追加量は過去最高の55.29GWにまで達しており、国家目標との整合も明確です。
太陽光拡大を支える政策枠組みとしては、2010年開始の国家太陽ミッションを起点にソーラーパーク・スキーム、グリーンエネルギー回廊、競争入札メカニズム、電力配給事業者に対する再生可能エネルギー購入義務(RPO)などが長期的な基盤を形成してきたことが挙げられます。
製造面では、太陽光モジュールの国内製造能力が2014年の約2.3GWから2026年3月31日時点で約172GWへと飛躍的に増加しており、生産連動インセンティブ(PLI)スキームや承認済モデル・製造業者リスト(ALMM)といった政策が品質基準と国内供給の強化に寄与しています。
住宅や農業分野への浸透も進み、2024年2月開始のPM Surya Ghar: Muft Bijli Yojanaは世界最大規模の屋根置き太陽光プログラムとなっており、2026年6月時点で430万世帯以上が屋根置きシステムを採用し、うち77万世帯以上が実際に電気料金ゼロを報告しているほか、中央からの財政支援は2025年12月までに1,477.182億ルピーが支払われています。
農業分野ではPM-KUSUMスキームを通じて約114.9万台のオフグリッド太陽光ポンプが設置され、約158.9万台の農業用ポンプがフィーダーレベルでの太陽光化の対象となり、1,726MWの分散型太陽光容量が稼働して217.7万を超える農家が恩恵を受けています。
インフラ強化の面では、全国で合計39,188MWの認可容量を持つ54のソーラーパークが承認されており、最大級のバドラ・ソーラーパーク(ラージャスターン州、2,245MW)が競争入札を通じて太陽光料金の引き下げに重要な役割を果たしてきたほか、グリーンエネルギー回廊計画は2026年2月までに24,567.8MWの再生可能エネルギー送電を可能にし、強化された送電網によって約44GWの再生可能電力を支援する見込みです。
国際的な取り組みでもインドは主導的な立場を強めており、2015年に国際太陽同盟(ISA)を共設立したことや、One Sun One World One Grid(OSOWOG)構想の提唱によって国境を越えた再生可能エネルギー取引と相互接続を促進し、G20議長国期間中には2030年までに世界の再生可能エネルギー容量を3倍にする旨のコンセンサス形成に寄与するなど、世界的なクリーンエネルギー転換における重要なプレーヤーとしての地位を強化していることがうかがえます。
こうした一連の動きは、国内のエネルギー供給の多様化と脱炭素化を同時に進めるとともに、輸入依存の低減や雇用創出といった経済的な波及効果も生み出しており、今後の浮体式と蓄電を組み合わせた開発がどの程度、地域の電力需給や国際協力に影響を及ぼすかが注目されます。