賃金透明性法に基づく企業のデータ更新義務
ブラジルでは従業員100人以上の民間企業が8月31日までに賃金や多様性施策に関するデータを更新する義務を課されており、未提出は罰金の対象となることが明確にされています。
この義務的な手続きは、労働雇用省(MTE)が作成し半年ごとに公表する第6回賃金透明性および賃金基準報告書の作成に用いるために設けられており、雇用主はEmprega Brasilポータル上で直接情報を入力する必要があるうえ、データ更新のためにはGov.brプラットフォームへのログインが求められる形です。
提出が求められる情報は賃金基準やダイバーシティ促進を目的とした施策、家族および育児支援の取り組みなど多岐にわたり、これらを年に二回提出しない従業員100人以上の企業は罰金の対象となるほか、この半期ごとの必須提出は同一価値の仕事または同じ職務に対して同等の報酬を確保することを定めた賃金平等法(第14.611/2023号)の規定に基づいているということです。
労働雇用省が4月下旬に公表した第5回報告書の分析では、5万3千社から提供されたデータを基に民間部門における女性の平均賃金が男性を平均で21.3%下回っていることが示されており、賃金格差が確認された企業はその格差を緩和するために目標と期限を定めた行動計画を作成しなければならない義務を負うことが明らかになりました。
司法判断を巡っては、今年5月に連邦最高裁判所(STF)の本会議が同法の規定を合憲とする判断を示した一方で、全国工業連盟(CNI)と全国商業・財・サービス・観光連盟(CNC)は直接無効確認訴訟(ADI)7612号で異議を唱え、ADI7631は新党(Partido Novo)による提起、合憲性確認訴訟(ADC)92は中央労働組合(CUT)や全国金属労働者連盟、繊維・皮革・履物・衣料産業労働者全国連合らが提起しており、法的な対立構図は依然として残されています。
企業側には期限内の提出と格差是正に向けた具体的な対応の提示が求められており、労働雇用省による半期ごとの公表と監視が続くことで、ブラジルの労働市場における賃金不均衡の可視化と対応が一層進展することが期待されます。