米・イラン紛争が影を落とす中、BRICSサミット準備に挑むインド
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約1か月後に開幕する第18回BRICSサミットに向け、インドは世界のGDPの約3分の1と世界人口の半分を占める国々の首脳を迎える準備を進めている一方で、米国とイランを巡る紛争が合意形成を大きく揺るがしているとの懸念が高まっています。
主催国として規模を倍近くに拡大したブロックの運営はこれまでになく複雑化しており、各国の利害と対立が入り混じる中で、ニューデリーは経済議題に焦点を定めつつも外交的な舵取りを強いられている形です。こうした状況は、参加者の顔ぶれと相まって会合の性格を左右しかねません。
注目される出席者としては中国の習近平国家主席やロシアのウラジーミル・プーチン大統領が見込まれており、習氏の来訪は両国が軍事的国境対立に陥って以来の訪印となる可能性があると報じられています。とりわけイランのマスード・ペゼシュキアン大統領がニューデリーを訪れる予定であり、米国との戦争に関する彼の演説はサミットの議論を大きく左右する見通しです。
実際に今年初めの外相会合ではイランとアラブ首長国連邦が公然と対立し互いに地域の不安定化を非難する事態となり、インドが議長国を務めて以降、共同声明を取りまとめられなかった例が既に二度あり、この流れは首脳級会合でも継続する可能性が高いとされています。Observed Research Foundationのハーシュ・パント副代表は、合意形成が失敗すればBRICSの有効性に疑念を投げかける誤ったメッセージを国際社会に送ることになると指摘しています。
出席の是非にも注目点があり、ブラジルのルラ大統領は国内選挙の都合で欠席する可能性が高く、バングラデシュのタリク・ラフマン首相も元首相シェイク・ハシナの引き渡しを巡るニューデリーとの対立を理由にアウトリーチ会合を欠席する見込みが伝えられています。こうした欠席や対立は議論の幅を狭める要因となり得ます。
一方でインドは議長国として経済課題に照準を合わせ、中央銀行が進める加盟国間のデジタル決済連携を目指す越境支払システムの構築や、2030年までに推定2,000億ドル規模の気候資金ロードマップ、人工知能協力、重要鉱物の供給網強靱化といった具体的な議題を掲げており、国連安全保障理事会やIMF、世界銀行など国際機関改革を途上国の声として訴える機会にしたいとの思惑を示しています。
最終的に、BRICSが経済協調の枠組みとして前進できるか否かは、米・イラン紛争という外的ショックを如何に抑え込み、対立する加盟国間の利害を経済的利益に結び付けて合意の形成へ導けるかにかかっており、サミットはインドにとって機会であると同時に極めて繊細なバランス取りの場になりそうです。