米、南ア排除の脅しを受けつつもAGOA延長に署名し安定性を確保
米政府は、南アフリカを優遇貿易プログラムから排除するとの圧力にもかかわらず、アフリカ成長・機会法(AGOA)の延長に署名し、対象国への短期的な貿易の継続性を確保しました。
議会は実質的な政策変更を伴わない形で2年間の延長を可決し、上院に続いて下院も承認したうえでトランプ大統領の署名により法律化され、関係者には一定の安心感をもたらしています。
可決内容は2028年12月末までの適用を含むとされ、これによりアフリカ大陸の輸出業者には当面の安定性がもたらされるものの、長期的な枠組みの行方にはなお不透明な要素が残ります。
当初は政権内外からAGOAを廃止するか大幅に縮小して特定国を除外するとの強い示唆があり、ホワイトハウス復帰後には複数の下院議員がプレトリア排除を求める書簡を送っていた経緯があります。
昨年12月には米国通商代表ジェイミソン・グリアー氏が南アフリカを「独特の問題」と表現し、同国に対する異なる扱いに「開かれている」と述べて除外の可能性に言及したことが、議論をさらに複雑化させました。
一方でトランプ政権は、中国との貿易対立や最近のカナダとの紛争など複数の外交・経済課題に時間とリソースを割かれており、当初の脅しを実行に移す余力を欠いていると受け止められています。
ミズーリ州選出の共和党下院議員ジェイソン・スミスは、AGOAが20年以上にわたりサハラ以南アフリカ諸国との米国の貿易関係の基盤となってきたと強調し、延長を歓迎する見解を示しました。
同議員はさらに、AGOAがアフリカの経済的安定と機会を促進すると同時に、重要鉱物へのアクセスやより安全なサプライチェーンといった米国の戦略的利益を前進させると指摘しています。
今回の延長により、プログラムと対象国はトランプ大統領の現職かつ最終任期の多くにわたり事実上保護される見通しとなる一方で、政権が将来的に対アフリカ貿易関係を再検討する意向を示している点は引き続き不確実要因です。