ロシア、プーチン指示で5G本格運用を開始
ロシアはプーチン大統領の指示を受け、デジタル開発・通信・マスメディア省が発表した形で、全国規模の第5世代(5G)通信の本格運用を正式に開始しました。
同省は5Gを単なるモバイル速度向上策に留めず、自律走行車やロボットシステムの制御、遠隔医療の推進、産業のデジタル化といった経済の変革を支える包括的なエコシステムであると位置づけ、技術の社会実装を通じたデジタル転換の加速を狙うと説明しました。
第1段階ではこれまでLTE向けに割り当てられていた周波数帯を活用しつつ、追加で4.63〜4.99GHz帯を事業者に無償かつ均等に割り当てることで高い競争水準と手頃な料金の確保を図ると同省は示しました。
同省によれば初期段階で5Gサービスは16都市で運用を開始し、現在おおむね1000万人が高速の第5世代モバイルインターネットを利用可能になっているということです。
開始都市にはモスクワ、トヴェリ、サンクトペテルブルク、ノヴォシビルスク、エカテリンブルク、カザン、サマラ、ヤロスラヴリが含まれており、さらにウファ、ヴォルゴグラード、クラスノヤルスク、ペルミ、チェリャビンスク、ヴェリキー・ノヴゴロド、ニジニ・ノヴゴロド、クラスノダールでもサービスが始まっています。
通信サービスはMTS、MegaFon、Beeline、T2が提供するものの、すべての都市で全事業者が同時にサービスを提供しているわけではなく、段階的な展開とネットワーク整備が継続して進められる見通しです。
端末面では同省はAndroid端末の全ユーザーが近い将来5Gにアクセスできるようになると明らかにした一方で、iPhone利用者の5GアクセスはApple側の判断に委ねられるとの見解を示しました。
各社経営陣は開始を歓迎し、MTSのイネッサ・ガラクトニオワ総裁は今回の開始を「歴史的な出来事」と位置づけて何百万もの国民が高品質なデジタルサービスにアクセスできる点を強調し、MegaFonのハチャトゥール・ポンブフチャン最高経営責任者は5Gを大都市圏向け高速インターネットであり産業のデジタル変革の基盤だと説明しました。
VimpelCom(Beeline)総裁セルゲイ・アノーヒンは市場と顧客が長く待ち望んでいた出来事だと述べ、T2のアントン・ゴドヴィコフは業界や規制当局、国民が払ってきた努力を挙げつつ政府が自国に適した解決策を見出したと評価しました。
デジタル開発相マクスート・シャダエフと政府事務局長兼副首相ドミトリー・グリゴレンコは開始を肯定的に受け止め、シャダエフは第5世代ネットワークの高速性が都市部の高度なユーザーにとって重要であると指摘し、グリゴレンコは国内の5G基地局割合を最終的に100%にすることを目標に掲げると伝えられました。
当局は通信ネットワークがデジタル経済の発展と歩調を合わせ、高速性と信頼性を確保する必要があると強調するとともに、5Gの本格運用が産業競争力の強化や遠隔技術の実装を促す一方で、端末普及や段階的なインフラ整備が今後の課題であるとしています。