ロシア中央銀行、政策金利を14%に据え置き—高まる物価上押し圧力で慎重な姿勢
モスクワ発 — ロシア中央銀行は11日の理事会で政策金利を年率14%に据え置く決定を行い、総裁エルビラ・ナビウリナは理事会後の記者会見で、ここ数か月で物価上押し圧力が強まっていると指摘し、利下げの議論が実質的に行われなかったことを明らかにしました。
ナビウリナ総裁は、今後の利下げ余地については10月の情勢でより明確になるとの見通しを示す一方で、高いインフレ期待が政策金利の引き下げ余地を制約しており、われわれに非常に慎重な姿勢を求めていると述べ、金利の維持は二次的影響の拡大を防ぎつつ国内需要の緩やかな成長を促進するとの見解を示しました。
中央銀行はまた、夏季にみられた物価上昇の加速を主に燃料市場の状況による一時的な要因と評価し、これがより広範な財・サービスの価格へ波及していることを認めつつも、政府と国営企業による供給能力の回復措置が進められており、燃料市場は徐々に安定すると見込んでいると説明しました。
金融政策の見通しについては、現時点での引き下げ余地は年初の想定より小さいとして、適度に引き締められた金融環境を維持する必要性を強調し、インフレ目標の引き上げは検討しておらず、そうした選択は『極めて有害である』との立場を明確にしました。
ナビウリナ総裁はさらに、金利を持続不能な水準に長く据え置くつもりはなく、持続不能ならば失業率上昇や実質所得の低下、基礎的インフレが中央銀行目標を下回るといった景気循環の悪化を招くと警告するとともに、今日のガソリン価格の上昇が明日の高インフレに転じないようにすることが中央銀行の目的であると述べました。
為替と需要面では、現在のルーブル為替レートは企業の期待に非常に近く、為替変動が物価に与える影響は近年鈍化しているとしたうえで、夏季に一部ルーブルが弱含んだ要因の一つに輸入需要の高まりがあると指摘し、無人航空機(UAV)攻撃がサプライチェーンに与える影響はこれまでのところインフレへの影響はかなり小さいと評価しました。
マクロ指標と見通しに関しては、上半期と第3四半期の指標が中央銀行の予測と整合的であり、投資活動は2026年第1四半期の弱い動きの後に徐々に回復しているとし、失われた生産能力は現行の仮定の下で2026年末までに回復すると見込んでいることを改めて示しました。
金融面の動きとしては、貸出は企業部門を中心に再び加速している一方で、小売貸出の伸びはここ数か月かなり緩やかにとどまり、家計の貯蓄志向は依然として高いことを挙げ、加えてデジタルルーブルの本格導入は順調に進み、発生した技術的問題も迅速に解決されたと結び、中央銀行は今後もデータに基づき慎重な政策運営を続ける姿勢を示しました。